『Quick Japan』 太田出版 ( iPhone4 iOS 6.0.1 Newsstand )

2012年11月17日土曜日

 iPhone の Newsstand で雑誌を定期購入したイメージを体験しようとおもい、丁度 e-book 化がリリースされているのを見て購入した『Quick Japan』を読んでいます。

 Newsstand の本棚をかたどった画面の右上にある「Store」のボタンをクリックし、『Quick Japan』を選んで購入します。下の画像は購入したあとのものです。

 Store で読みたい雑誌を選ぶと購入画面が表示され、定期購読する期間を選べるようなボタンが用意されています。

『Quick Japan』は偶数月に発刊の隔月刊ですが、このボタンをクリックすることで2回分を読むことができました。



 このメッセージを読むとキャンセルをかけない限りずっと購入することになってしまうのかと一瞬思ってしまうがそうではありません。購入した期間で「自動更新」、つまり新刊が出ると配送されてきて読める、ということらしいのです。これは Newsstand の問題なのですが、アプリケーションとして購入できるので「自動更新」という用語を使うのは理解できるといいつつ、ここはすべて読み物を扱っているのだから「購読できます」とか「届けられます」というような表現の方が優しくないでしょうか。

(2012/12/21 加筆)
 上記取り消し線した「自動更新がかからない」という理解は私の誤りでした。下記に購読停止の手順を書いています↓

iPhone/iPad Newsstand の購読のやめ方 - e-book reviews Japan



 システム側からするとアプリケーションのアップデートも e-book の更新も変わりはないので難しいのだろうと想像はするのですが、折角独立した機能として Newsstand をホーム画面に用意しているのですからもうひと工夫してほしいとおもいました。


 ほう……名前とメールアドレスはまぁ良いが郵便番号も出版元、この雑誌の場合は太田出版に取得されてしまうのか。普通読者はこんな警告メッセージを出されて「許可しない」は選ばないだろうが、もし選んだら購読できなかったのでしょうか。



 直後は「ダウンロード」と「読む」ボタンが表示されます。どうも「読む」ボタンで良いようです。というか、購読するというのはどういうことか……というのは後ほど触れます。




凝ったインターフェースは「あり」か


 読み始めてすぐ気がついたのですが『Quick Japan』は実際の雑誌の見た目をまず提示するよう考えているようです。タブレットならともかく、スマートフォンの画面では小さいということで文章部分については拡大表示できるインターフェースをとっています。

 それはいいのですが、最初に画面が表示されるのが遅い…… 下記画像のように最初ぼんやりと画像表示され、いっとき時間が経った後綺麗に表示されます。これは他のアプリの画像表示でも見られることがあるため iPhone4 の限界であって 4S や 5 だとすっと表示されるということなのかもしれません。それにしてもこれでは読む気が失せます。特定のページでこうなるというようなことではなく、どのページでもこのようにクリアな表示には数秒から十数秒の時間を要します。

 

 先にも述べたように『Quick Japan』は実際に紙のために組まれたのと同じビューを e-book でも提供しようとしているのですが、それが良いのかという議論のためのひとつの事例を提示しているとおもいます。私などは紙には紙の、画面には画面のレイアウトがあるのが良いのではないかと考えます。リーダーの性能があがればそんなことはどちらでも良くなるよ、ということかもしれませんがひとつの意見として申し述べておきます。

新刊のお届け


 次刊が出るとそれは先にも述べたように「アップデート」として iPhone にプッシュ通知されます。


 App Store でアプリケーションのアップデートをするのと同じ操作でアップデートをすることで読める雑誌が入れ替わるようなイメージになります。アップデートすると表紙がももいろクローバーZから指原莉乃さんに変わりました。

 それは良いのですが更新すると前の号はもう読めなくなるようです。この辺り雑誌を読み流していくものなのか、アーカイブとして捉えつつ読むものなのかでこの仕組みに対する印象が変わると感じました。アプリケーションとしての雑誌はどうも前者の捉え方をされているように思えます。コンテンツはどこか別のところにあり、購読したらそこへの狭い窓を渡される……という感じでしょうか。

 その観点で更に踏み込むとウェブ形式の雑誌、つまり blog といったものが Google でもって検索でき、ソーシャルブックマークサービスで共有することができるのに Newsstand はそれらができずただ読むだけになっているようです。


 購入直後とは画面が違い、通常 Newsstand から雑誌を読もうとするとボタンは「読む」だけです。クリックして「窓」を覗きこみます。


 画面の表示に時間がかかることについては触れました。

 デフォルトの表示に加え、文章についてはタップすると拡大画面が表示されます。iPhone の Safari でアドレスバーに表示される「リーダー」アイコンをタップすると文字だけの読み易いビューに切り替えしてくれますが、それにイメージは近いかもしれません。ここで工夫するなら、最初から読み易く表示が早くしたレイアウトにした方が良いのではないかと私は感じているわけです。


 地下鉄など 3G の電波が飛ばない時間を使って読んでいたのですが、時々「ネットワークに接続できません。取得済みページのみ閲覧できます」という興醒めな警告メッセージが出ましたが、実際には問題なく読めました。「読む」ボタンクリックの時点でいったん全てのコンテンツを読み込んでいるようでした。

 つまり読み始める時点では Wi-fi なり 3G なりネットワークに接続している状態でないと読み始められないようなのですが、いったん読み始めてしまえばその号は読めてしまうということのようです。